やっぱり私は、信じたいな。

先日のお茶のお相手は、二十くらい年上の友人。
彼女のご主人は映画人で、
彼女自身、映画を作る仕事をしていたこともあり、
周りには、面白い友人がたくさんいる。

彼女と彼女の旦那さんは、二人で深夜まで映画鑑賞をしたり、
何か作ったり、どこかへ行ったり、会話を楽しんだりしていて、
とても羨ましい、関係。
夫婦というより、仲間的だという。
お互い、さりげなく支えあっていて、それに対して、
いつも新鮮な「ありがとう」という気持ちがあるように思う。

そんな彼女は、「一般的に、籍入れちゃ、ダメになるのよ。」
という。なぜなら、「籍入れた途端に、家族が入ってくるから。」。
家族とは、親戚のことだ。


私が小学生のときの夏休み。
徳島に住んでいた祖母のところに、泊まりに行ったときのこと。
朝早く目を覚ますと、横で寝ていた祖母が話し出した。
締めの話は、大抵こう。
「結婚はしないほうがいい。結婚して損するのは、女だから。」
お嬢様生活から、周りの反対を押し切った結婚。
財産を使い尽くし、愛人の元に去った夫。
姑に一人息子を預け、働きまくって、一財を築いた祖母。


先日、仕事中に出会った、百才を超えていたお爺さん。
老人同士、紙おむつの話をするのは嫌なんだよ、と言いながら、
色んな話を聞かせてくれた。
当然、混乱の時代を生きぬけて来たはずだが、内容は、
ごく日常的なこと。
何度も繰り返して言っていたのは、先立たれた奥さんのこと。
死に際に、「私は、幸せでした」と言ってくれたことが、
本当に嬉しかったと。
早く、奥さんに会いたいと、ため息をついていた。
たったそれだけで、目頭が熱くなってしまった。

その日の夜に遊びに行った先の女友達に、そのお爺さんの話を
すると、
「奥さんがどれだけ我慢していたかどうかは、分からないけれどね。」。
・・・ドライな彼女はそう答えた。
「だいたい、十年も一緒にいたら、人は変わる。
相手に求めるものも変わってくる。」
子供のときから、辛いことに散々あってきた彼女だから、
反射的に、裏側を見たのだろう。
私はおめでたいやつだから、そのまま受け取ったが。
それに、そんな風に、素敵な夫婦が実在したことを
感じたかったのだろう。

今日出会った夫婦。
ご主人と一緒にいるのが奥様だと思っていいのか、
一瞬、戸惑った。
奥様の方が、明らかに年下なのは分かったので、
妹さんかな?とも思った。
しかし、時折、ご主人の腕にかける、彼女の手が、
とても優しくて、かわいらしい動きをしていたので、
やっぱり、奥様なのかな?と思った。
が、おや?
ご主人は、九十才代なのである。
奥様はどう見ても、九十才代でも八十代でもない。
思わず聞いてしまった。
「奥様ですか?」
その通りだった。凄く歳が離れているのよ、と、
恥ずかしそうに言っていた。
奥様のお母様が、ご主人よりひとつ年上なのだという。
なんと、二十才以上の歳の差があるそうだ。
「ややこしいのよ」と、彼女は笑った。
ご主人は、奥様のことを、「美人」さんと呼んでいた。
ご主人も、若い頃、かなりのハンサムだったのであろう。
そんな高齢でも、奥様のことを意識して、おしゃれしているらしい。
奥様も「色々、困るのよね、」と言いつつ、
本当に優しくて、夫を可愛い人と思っているのが分かる。

結婚に悲観的な意見が多いなか、
歳をとっても愛し合っている夫婦を見ると、
本当に嬉しくなってしまう。

きっと、色々あったことだろう。
けれども、こんなにも、相手のことを優しい気持ちで
思い合えるなんて、素敵。
考えるだけで、浮き浮きしてしまう。
いいなぁ、羨ましいなぁ~、いいもの見させてもらったな、、、。

理想のような幸せが、本当にあるって信じられる瞬間。
それを手に入れるには、ちょっとやそっとじゃ投げ出さない忍耐力と、
努力が必要なのだろうか?
いや、実はそんなに難しいことではなくて、
ただ素直に、愛おしく思う気持ちがあれば、十分なのかもしれない。
小難しいことを考えず、ただ、二人の愛を信じ続け、
「愛してるよ」という気持ちを保ち続ける、、、
そんなことなのかもしれないな、と思った。

多くの結婚が、平凡で退屈なものか、もしくは
耐え難い悲劇であると思うより、
そんなにうまいこといかないよ、と思わず言いたくなるほどの
幸せ、それがあるとしたら、そんな最上の幸せを
信じたいな、と思った。

スポンサーサイト
大好きな木と、大嫌いな自分の。 | Home | 自分掃除

コメント

信じる>信じない?

いろいろ、先人の言葉って参考になるなー
芯のある生き方、憧れるんだけど ねー

2006/04/10 (Mon) 19:05 | *O* #- | URL | 編集

全て共感できるはずはないけれど、
確かに、だてに年取ってないなぁ、と思うこともあるね。
あと、同じような経験したときに、なるほど、と分かったり。。。

人の話を聞くのって、ほんと、勉強になる~

2006/04/11 (Tue) 00:33 | samaila #yyKEoA6o | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する