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恋愛のゲーム盤をひっくり返して放棄する、詐欺女。その①

このテープを何度繰り返して聴いただろう。
古いレゲエと大人っぽいソウルを上手くリミックスしたテープである。
昔付き合っていた彼が作ってくれた。
あっという間に別れるまでに、三本のテープをくれた。
カセットテープのプラスティック面に、
直接、マジックでタイトルが書いてある。
レコードから録ってくれた物で、それぞれの曲名も分からない。
それでも、自分にものすごくフィットして、
何度も何度も聞きたくなる。
彼は今頃どうしているだろう。

別れた理由は、私が息苦しくなったからである。
あまりにも一途で、会って、数日で、二人がずっと一緒に行くべき道を
示されたような気がして、眩暈がした。

一つ年上の、カメラマンを目指していた人で、趣味でDJをしていた。
その頃の私はやりたいことがありすぎて、何か思い立ったら、即実行。
つまり、考えなしで、どこでも飛んでいっちゃう、ちっぽけなスーパーボール。
あたった相手は壁みたいなもんで、意思を持つものだと考えていない。
ところが、時として、強力ガムテープみたいな人にあたるわけだ。

こちらは、ほんの挨拶のつもりでも、
相手は、そのちっぽけなスーパーボールが
気に入ってしまったらしく、手のひらで包み込もうとする。

そしてゲームが始まる。
最初は二人。次に私が二つ進む。それからまた、二人で一歩。
突然彼が四歩進む。
そこで、怖くなる。
何も言わないまま、もう一度二人で一歩。
しかし、そこまでだ。
突然、私はゲーム盤をひっくり返し、扉を開けて、逃げていってしまうのだ。

その彼の前にも、後にも、同じようなことを繰り返していた。
ゲットすれば嫌気がさす、というようなことではなく、
ただただ、怖くなるのである。
その人が、自分のことをどんどん好きになっていくのが。
なぜなら、付き合いが進むほど、責任が重くなるから。
その人をガッカリさせたくない気持ち。自分が感じる息苦しさ。
正直そうに振舞っていても、実は、その人の望む女になろうと、
無意識に努力していたのだろう。
自分は人に合わせるような、自分のない人間じゃないんだ、
と、強がっていたのかもしれない。
だから、本当の本当の自分
・・・それは、その時、自分にすら見えていないのだけど・・・
は、水面下で息をためていて、結局、すぐに苦しくなって、
水面に顔を出す。
そして、一息すって、一目散に泳いで逃げて、
また、再びもぐっていくのである。


ある時、知り合った彼は、自分の仕事を投げ出して、
私について来そうになった。
つらい状況で暗かった彼が、私の挨拶代わりの言葉で、
すっかり勇気を取り戻して、
別人のように積極的になって、追いかけてきたのである。
まずいことになった!そんなつもりはなかったのに!!
彼が、貴重な仕事を捨てて、私についてきても、
こっちはそんな責任とれないぞ。
ちょっと、ちょっと、ちょーっと待って!
その後、彼が言った言葉。
「君はほんとに悪い女だ・・・。」
あまりにも落胆した彼を見て、さすがに悪いことをしたなぁ・・・と、
思ったが、内心、勝手にイメージして、暴走しないでよ~という気持ちもあった。
そういう形で別れた人は、大抵、私のことを物凄く嫌悪して、
それこそ、思い出すだけで吐き気がする、といった風になる。
うって、代わって、軽蔑の眼差し。

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恋愛のゲーム盤をひっくり返して放棄する、詐欺女。その② | Home | 憂鬱な朝。。。。Noはつきもの。

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