銀座のクラブでホステス体験 その③

酒も飲めない、歌えない、落ちこぼれホステス(というより雑用係に近い)の私でも、
それなりに、毎日疲れた。
短時間なのに、妙に疲れて、その割に、気分も昂ぶっていた。
そのまま帰る気にはなれず、週二、三回位、家のほうに向かう電車には乗らず、
丸の内線に乗って、新宿のクラブ(踊るほうのね)で遊んでから帰った。

頑張って少し飲んだ日には、帰りの地下鉄のホームに落ちるんじゃないかと思った。
同居の友人が心配して、何か声をかけてくれているのも遠い彼方。
翌朝、「昨夜はつらそうだったね。大丈夫?」と、友人。
遊んで帰った朝、数時間寝て、昼のバイトに行くのも苦しくなってきた。
短期で気楽に入ったつもりが、元の生活がだんだん変わってきた。

本気で、ホステスをやろうと思っていたら、また違ったと思う。
やはり、いい加減な気持ちで、銀座では働けないのだろう。

微笑んで、座って、聞いて、話して、注いで、歌って・・・

大変そうには見えないかもしれない。
けれど、見えないものを売る代償は、その値と同じように、高い。
自分がどれくらい磨り減っていくのか、はっきりとは見えない。
けれども、何か、怖くなっていく。自分の底から、声が聞こえてくる。
どんどん、自分が求める方向から外れていっているよ・・・と。

そこで、本気でやっている人は、相当、自分を応援出来る人。
その仕事を選んだ自分に自信を持ち、それを疑うことなく、
プロに徹することが出来る人。・・・ではないかなぁ、と思った。

クラブのママは、家のママに甘えられない人を甘やかしてあげられる人。
女は、面倒見がいい人でも、時には男に頼りたいもの。
「私だって、たまには甘えたい!」と、思う。
けれど、クラブのママは、ひたすら客を甘やかしてあげないといけない。
色々なお母さんがいるように、色々な甘やかし方がある。

結局、約三ヶ月でそこを止めた。
こんな私であったが、ママは、「本当に(やめて)いいの?」
「うちは、出戻りはダメだからね。」と、言った。

その後、友人二人が、同じような仕事を経験した。
自分たちの、本当にやりたいことの為の資金稼ぎに。
それでも、自分の中から失われていくものが多いと感じ、
二人とも、長続きはしなかった。
お金がよくても、もう、戻ることは無かった。


迷いながらも、はまっていく人。
最初から、その仕事がしたい人。

いずれにしろ、楽な仕事ではないことは確かだ。

スポンサーサイト
外国人向け不動産でバイト | Home | 銀座のクラブでホステス体験 その②

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する