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意外にドラマチック!?引越屋のバイト

旅行資金を早く貯めたくて、引越屋でバイトしてみることにした。
日給八千円。まぁ、悪くない。
上っ張りと、エプロンを貸与される。
プロ用の優れものガムテープ(どこでも切れる。重ね貼り、ペンで記入可能!)
とカッターナイフ、マジックペンをポケットに入れて、
トラックに乗り込む。

私の仕事は、荷造りと荷解きがメインだった。
朝、行った先のお宅で、荷物をまとめ、引越先が近い場合は、
新居のほうで、同じお客さんの荷物を開き、配置する。
時には、何軒も、荷造りだけしにいったり、
荷解きだけに行くこともあった。
もちろん、自分たちが荷造りしたものを、
自分たちで解くほうがやり易い。

引越っていうのは、個人では、そんなにしょっちゅうするもんではないから、
大仕事、という感じがするが、引越屋は、当然、引越ばかりしているわけである。
さすが、大手の引越屋!と、感心するような技がいろいろあった。

例えば、荷造りする時、基本的に、引き出しのものは、一つの引き出しにつき一つの箱、
本棚は、一段につき一つの箱に入れる。
左右どちらから、箱に入れていくかも決まっている。
そして、どこどこの棚〇番(下の段から番号をつけていく)と書いておけば、
他の作業員が荷解きをする場合でも、簡単に元に戻せるわけ。
壊れやすい食器専用の箱もあって、ダンボール箱の中に、布製の袋がたくさん釣り下がっている。
その中に、皿をすとんと入れるだけ。

箱のサイズも言うまでも無く色々あるが、
運ぶ人を配慮して、大きな箱には重いものをたくさん詰めない。
お客さんのもので、どう見てもゴミ、というものでのも、「捨てていいですか?」は禁句。
「これはいかがいたしましょうか?」みたいな感じで聞くのである。
人のものだから、勝手に捨てられないのだ。
キャッチフレーズに、お客さんは何もしないでいいような文句を
うたっているので、
中には、引越当日に、鍋の中に味噌汁、冷蔵庫も電源が入っていて、
中身もどっさり、
というお宅もあった。
大胆だな~。
開いている液体の調味料類(油や醤油)は曲者で、
どうやって梱包するか悩む。
たくさんお金とっているのだから、そういう処理も仕事のうちなのだが。
新築のおうちに運び込む前には、通路や壁に、しっかり養生するのも、
当たり前ではあるけれど、さすがプロ!自分だったら、あちこち傷つけちゃうもの。

作業の進行によっては帰りも遅くなるし、
ほこりのせいか、靴下がすぐダメになる。(なぜか、穴が開く。)
それでも、面白かったのは、大抵、毎日、違う家に行かれるからだ。
外をよく通ったことのあるマンションの中が見れたり、
色々なおうちの隅々まで見られるのはこの仕事ならでは。
(福祉の仕事なんかでも、そういうこと多いかもね。)
まぁ、作業する人間は、長く働いていればいるほど、
驚きも、感じもしないのだろうけれど、
新入りの私は、色々、感じましたね~。

あらゆる隙間に、物が突っ込まれていることに驚き。
ものすごい高級住宅の室内にびっくり。
新築のおうちに運び込まれる、高級家具にため息。
たくさんの蔵書にうっとり。
どこを触っても、ほこりがべっとりついてくる部屋に辟易。
時にはお客さん夫婦の喧嘩におののく。
ナドナド、書き出したらキリがないが、何より、この仕事で得た宝は、
人の言葉と、現実の切ない状況に対する感慨である。

そのバイトを止めた後でも、かなり長いこと、私の心に残っていた言葉がある。
ある日行った先のお宅。アパートに、中年の男性一人暮らし。
荷物は殆ど本。あと、原稿が入った箱。
もちろん、内容を読んでいるほど暇じゃないし、サボっていなかったけれど、
まぁ、何かものを書いているか、編集関係の仕事をしているのだろうな、
ということは察しがつく。(誰が見ても分かるか・・・。)

荷造りが終わって、まだ到着していなかったトラックを待つ。
お客さんと二人だけになってしまったので、それとなく、
世間話をした。
そのとき、その人が言った言葉は、その後数年間、私の心の玄関口に
置かれることとなった。
「旅は・・・二十五歳までにどんどん海外に出たほうがいい。
それ以降でもいいけれど、吸収する量がまるで違う・・・。」

その人の言葉のとおり、私はその後、二十五までの間に、
あちこち旅することになる。
旅の理由が、分からなくなった時は、その言葉を思い出した。

ある日行った、目黒区の高級マンション。
3LDKの大きなおうちに、おばあさんが一人で暮らしていた。
今度行く先は、娘さん一家のところ。
つまり、同居になるというわけだ。
それも、六畳の一部屋に。
その為には、当然荷物を減らす必要がある。
娘さんが、引越前から、そこに来て、おばあさんの部屋から
ゴミをまとめて外へ出すたびに、おばあさんが拾ってきてしまうという。
「もう、どんどん捨てちゃってください!!」
手当たり次第、袋に入れて、、納戸である部屋に押し込んでおくように
言われた。
おばあさんは部屋の中をうろうろしている。
娘さんいわく、おばあさんはボケているということだが、
納戸が気になるようで、その周りにきては、心配そうに覗き込んでいた。
まだ、生きているのに、問答無用で、持ち物を捨てられる。
捨てたくて、さっぱりしたくて、誰かに思い切って捨ててもらうのとは
話が違うだろうに。
他にも、ものをためこんでいるお婆さんのおうちに行った時に、まるで、片づけが
はかどらないということがあった。
そのときも、家族が捨てろと言っているのに、本人が嫌がり、
結局、捨てられてしまったのだけど。
よくある話だ。

老人が死んだ後に、家具もろとも、家がパワーショベルで
ガブガブかまれ、思い出の品は、ばらばらに砕け散って泥まみれになって
ダンプに積まれ、産業廃棄物処理場に運ばれるのだ。


モノに対する思い・・・
壊される、捨てられるのが悲しいようなものは、出来ることなら持ちたくない。
けれども、好きなものに囲まれて、生活したい・・・。
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フード業界、合わないみたい・・・(苦笑)。 | Home | 外国人向け不動産でバイト

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